【モバマス短編集】「貴方がくれたもの」

2: ◆oeRx5YHce. 2016/07/11(月) 02:59:28.26 ID:bJL0D4IE0
【向井拓海】

時の流れってのは残酷なもんで、

ガキの頃から野郎と遊んでるのが普通だったアタシは色々戸惑ったんだ。

「女の子らしくしなさい」

完全に、チャンスを逃しちまったんだよな。

男と居るほうが気が楽だったし、お淑やかなんて性に合わねぇ。

男子とつるむってことは、女子とはつるめねぇってことだ。

「べつにいっか」だなんて思ってたら、いつの間にか煙たがられてた。

怯えられるのが苛立って、アタシは自分の居場所を探した。


その場所は傍から見りゃ下品で、低俗に見えてたんだろうよ。

でも、そういうところでしか生きられなかったんだ。

一生そういうところで暮らすもんだと思ってた。

「女の子らしく」なんて、いつの間にか忘れちまった言葉だった。

だから、あの優男がアタシに声掛けた時はイラついたってよりも、恥ずかしかったんだ。

胸の奥がムズムズするような気がしてさ。

でも。

すっげぇ、嬉しかったのは今でもしっかり覚えてんだ。

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